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2012-02-17

複合数詞の結合順序は言語分野の語順パラメータの支配をまったく受けていない

印欧語語順の1500年間に渡る異様な激動の根本原因は、世界認識パラメータと普遍文法主要部パラメータの闘争である

 そして、数詞や複合数詞の概念は普遍文法の主要部パラメータ(隣接する複数の単語
を結合する際に主要部の前置・後置を決める原理)の獲得以前に定まっていたのではな
いかと推測されます。少なくとも、私が「言問いメール516号/チョムスキー普遍文
法のIPパラメータ値は複合数詞の結合順序と完全に一致するか / ピアジェ=チョム
スキー論争、ピアジェ=ヴィゴツキー論争の『決着』を覆す新しい世界認識制御因子の
発見 」で提起した3つの認知分野に所属する言語表現は言語分野の語順パラメータの支
配をまったく受けていないことが分かっています。
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2012-02-03

印欧語の語尾は同一の形態素の中に文法的には全く性質の異なったいくつもの機能が混在

松本克己『世界言語への視座』を読む(その3) 印欧語における統語構造の変化の原因 - 言問い亭12月号 (2011年)

 従来あまり注意されなかったことであるが,印欧語の格組織(あるいは
「格変化」 declension」)は,他の諸言語にはほとんど例のないきわめて
特異な性格を持っている.というのは,いわゆる「格語尾」が単に「格」
の機能を標示するだけでなく同時に,「数」(および「性」)の機能をも
標示するという事実である.つまり同一の形態素の中に文法的には全く性
質の異なったいくつもの機能が混在(または融合)しているわけで,これ
は言語の機能的観点から見て決して好ましい特性とは言えない.印欧語に
おいて「性」の機能が格変化の中に組み込まれたのはそれほど古い時期と
は思われないが,「数」と「格」との融合は祖語の相当古い時期に遡ると
思われる.古代インド語に見るような印欧語の格組織がどのようなプロセ
スによって成立したかという問題はしばらく措き,ともかく「格語尾」の
持つこのような”多義性”(polyfunctionality)は,印欧語の格組織にとっ
て致命的な弱点であったと言わなければならない.
(柴田注:ズームアウト/イン型精神構造パラメータという私の仮説から
見ると、非常に古い時代には,全ての印欧諸語はズームアウト型であり、
かつOV型言語であったために、言語分野では常にズーム・パラメータと
それに矛盾する主要部(支配方向)パラメータとの激しい主導権争いがあ
り、松本氏がここで解説するような弱点を抱えていた言語構造の側に勝ち
目はなく、ヨーロッパ諸言語はズーム・アウト型パラメータに屈服して主
要部前置(右向き支配)の方向へ全面的に「転向」したのです.しかし,
インド諸語はいったん格組織が崩壊したものの、個別モジュールである言
語のパラメータが「奮起」して,全面的で自主的な機構改革を断行するこ
とにより,言語構造の論理的整合性と透明化を達成したために、ズーム・
パラメータの圧力を跳ね返して、言語分野における自己の支配権を(再)
確保したのだと考えます。)

そんなこと気にしたことなかった…。すごい。

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2011-03-01

注文する

閑話傍題(アネクドートの小部屋): 和文解釈入門 第16回

「注文する」というのも、状況によりいろいろである。заказать (сделать заказ) のほかに、レストランではспросить ликёр(リキュールを注文する(頼む)とも言えるし、выписать журнал(雑誌を(書面で、メールで、インターネットで)注文する)、予約購読ならподписаться на полное собрание(全集を予約購読する)となる。

閑話傍題(アネクドートの小部屋): 和文解釈入門 第16回
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2010-11-30

油脂

閑話傍題(アネクドートの小部屋): ロシア語珍問奇問第16回

油脂という語は常温で液体(油)と固体(脂)であるものを示している。ロシア語ではмаслоとжирがあるが、маслоは乳脂肪、植物の種由来の油、鉱物性の油を指し、жирは一般的に動物の体に蓄えられた脂肪分(живодтные жиры 動物性油、には乳脂肪も含まれる)だが、例外的にрастительные жиры (= растительные масла、種や実から採った油分)ともいう。必ずしも常温で固体という意味ではない。ヘット(牛脂)はговяжий жирで、ラードはлярд, смалецとかсвиной жирだが、ロシア人には塩漬けにしたшпик (шпек)のほうが分かりやすい。салоはжирと同義語だが、現代では動物の皮下脂肪層подкожный жировой слойを指すのが普通で、свиное сало(豚の脂身)などと使う。会話ではсалоは特にウクライナ人の好むもので、酒の肴である。皮脂はкожное салоという。рыбий жирは肝油(タラなどの肝臓から取れる)であって、魚油(イワシやニシンを煮て取った油)ではない。

閑話傍題(アネクドートの小部屋): ロシア語珍問奇問第16回
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2010-09-23

ニッパー、ペンチ

閑話傍題(アネクドートの小部屋): ロシア語珍問奇問 第3回

ペンチという単語をロシア語にしようと思うと、私の持っている和露辞典 (Лаврентьев, Русский язык, 1984)ではщипцыとかкусачкиと書いてある。ペンチはどなたも御存じのように、ものをつかむとか、つぶすとか、針金の切断などが出来る工具(日本工業用語辞典では、つかみとたて刃のニッパ兼用とある)である。ちなみにニッパは針金などを切断する工具である。щипцыというのはつかむ工具であり、кусачки (острогубцыともいう)というのは針金などを切断する工具で、厳密に言えばエンドニッパのことである。何を言いたいかというと、このようにどこの家庭でもあるような工具一つでも露訳するのが難しいという事である。それではペンチにあたるロシア語はないのだろうか?私のこれまでの経験では пассатижиが一番近い。これはплоскогубцы(プライヤーまたは角口プライヤーと訳し、先の平べったい工具でペンチからニッパの機能を除いたもの), кусачки, отвёртка(ドライバー)などを組み合わせたщипцыと技術辞典 (Политехнический словарь, Ишлинский, Советская энциклопедия, 1980)にある。ドライバーといってもпассатижиの握りの片方の端がマイナスドライバーになっており、もう片方がプラスになっているというすぐれものである。ただこれまでの経験からロシア人にペンチという意味でпассатижиといっても、技術者なら意味は分かるが、よほど工具の専門の話でない限り、針金などを切断しないならплоскогубцыとか、круглогубцы(丸口プライヤー、先が丸くなったペンチからニッパ機能を除いたもの)とか、切断するならкусачкиという風に言いかえるのが普通で、пассатижиとはまず言わない。だから和露辞典の編者も書きようがなかったのだと思う。これで場面場面で要求される単語の正確さというのは違うということがお分かりになると思う。

閑話傍題(アネクドートの小部屋): ロシア語珍問奇問 第3回

ややこしい。

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